浄土真宗本願寺派 松光山 西林寺

吉塚市場の多文化共生。

今年4月、店主の体調不良と諸事情によってカンボジア家庭料理シェムリアップが閉店。

アンコールワットの大看板が遂に降ろされ、10月から旧カンボジア料理店は『インド&ネパール料理店』にかわります。
…およそ二十年、カンボジアを応援している私にとっては複雑な心境ですが、吉塚市場に再びを活気を取り戻すため、前に進まなければなりません。

10月7日、新たにOPENするインド&ネパール料理店の看板が遂に掲げられました。

その名も『ブッダ 吉塚店』。店名が超ド直球です。
オーナーのバーニヤさんは、日本ネパール協会の副理事長。様々なところにパイプを持つ青年実業家。今回の吉塚市場のプロジェクトにも共鳴してネパール料理店が前代未聞の展開になります。

なんと、お店半分を区切り、隣の空間にはインドからシバ神を安置する予定。
今後は在住ネパール人のため、ヒンドゥー教の礼拝場が設置される事になりました。

仏教徒が少ないネパール人

 

お釈迦さまがお生まれになった国は、実はインドではなくネパールです。
ネパール南部のルンビニーというタライ平原にある小さな村でお生まれになりました。

当然自国ネパールでお生まれになられた”お釈迦様の国”ということで、ネパール人はさぞ仏教徒が多いだろうと思うのですが、、実は意外に少なく、純粋な仏教徒はネパール国民全体のたった9%しかいません。圧倒的大多数81.3%がヒンドゥー教徒なのです。

ネパールは2006年まで世界で唯一ヒンドゥー教を国教としていました。現在は、ヒンドゥー教の他に仏教、イスラム教やアミニズムが混在しています。
そんな吉塚在住のネパール人から以前より「私たちの神様にも手を合わせる場所を作ってクダサイ!」と何度か懇願されたことがありました。

そのような声に吉塚市場が応える形で、今後ヒンドゥー教の礼拝場が設置、そして「多様性」や「多文化共生」の象徴として、インドからガネーシャをお迎えすることになりました。

在住外国人と、地域の人々との『多文化共生』を掲げた「食と心をサポートする」新たな商店街の形。
お互いの国の文化や宗教を認め合う街づくりがこれからさらに展開されていきそうです。

自分自身は浄土真宗の僧侶、仏教徒としての立場から、できる事で支えていきたいと思います。

モバイルバージョンを終了