『 初心忘るべからず ときどき初心忘るべからず 終生初心忘るべからず 』 ( 世阿弥 )
今日、パソコンで書類等をまとめるのにあれこれ整理していましたら、
私が京都・ご本山の勤式指導所で一年間学んでいた頃、
先生が講義の中で仰られ、すぐさま書き留めた言葉の数々が出てきました。
僧侶として、プロとしての意識は、
当時仰られた先生のことばが、今でも自分自身の指針となっています。
『内陣とはひとつの舞台である。内陣とは,住職の鏡である。 』 A倉先生
『(内陣に上がる前に)三つの荘厳
① 威儀荘厳 …今から出勤するという心構え、気持ちを正す
② 作法荘厳 …内陣に出勤する際、自分が内陣荘厳の一部になる
③ 音声荘厳 …自分の音域はどれくらいか』 S浦先生
『声明とは、音響芸術である。』
『声明とは、世界に通用する日本音楽・仏教音楽である。』F井先生
『(能・オペラは)実に研ぎ澄まされたもの。せきくしゃみもない
・・・これがなぜ我々僧侶にできないのか?
ご門主は勤行中にせきくしゃみなど一度もない。「それがプロである」。』F井先生
『歌手はステージに立つ為に、
自分の歌を何十、何百回と練習してステージに立っている。それがプロ。
僧侶も内陣に上がる為にはそれ相応の練習をしなければならない』 F先生
『プロの歌手が一曲人前で歌うのにどれだけ練習するか』S浦先生
『声におぼれた人間はお経を乱す。』S浦先生
『歩くとき、足袋の足の裏が見えないように歩く』F井先生
『日本人は歩く時、頭を上下に動かして歩かない。頭を動かさず横にススーッと歩く。
これはかつて日本で戦の多かった時代、上下に歩くと標的が定まりやすい。
だからスリ足で歩いていた。それによってススーッと行って切りつけることができた。』K本先生
『如是我聞 〜 如来様は聞くことに生涯をかけられた。僧侶は口よりも聞くことが大切。』A倉先生
『お寺の住職はいつもカリカリするのではなく,ご門徒の代表として
「徳」がなければならない。
つまり大らかな心と態度が必要である。』A倉先生
『10年経ってやっと一年生、20年経って一人前、それ以後は本人の努力次第。』
天台声明の先生
『本願寺には様々な重要文化財や世界遺産にも指定される建築物がありますが、
我々が最も大切なのは日々の“おつとめ”です。』前ご門主
明日からの法務、もう一度初心に返って、基本に返って取り組んでいきたい。