浄土真宗本願寺派 松光山 西林寺

仏前結婚式のススメ。

研修会『 〜 仏前結婚式のありかた 』

先日2019年3月25日(月)、
本願寺福岡教堂において、『教区子ども・若者ご縁づくり研修会』が開催されました。

テーマは『 仏前結婚式のありかた 』ついて。

ご講師として、ウェディングプランナーの井出紫芳さん、
志摩組海徳寺の前ご住職 松月博宣先生にご登壇いただきました。

ウェディングプランナーの井出さんのお話しによれば、
入籍はしたけれど「結婚式はしない」、いわゆる『ナシ婚』が最近では入籍者の半分とのこと。

結婚式を挙げない主な三大理由として、
① 経済的事情
② さずかり婚
③ セレモニー的な行為が嫌

という理由が大半をしめるそうです。

私が結婚した十数年前と比べて、「結婚」にまつわる事情もずいぶん様変わりしているようです。

そんな状況の中、ゼクシィ結婚トレンド調査 2018 によれば、
結婚式を挙げたカップルがどのような式を挙げたか、統計で見てみると、

① 教会式 64.5%
② 神前式 17.8%
③ 人前式 16.6%
④ 仏前式  0.5%

…なんと「仏前結婚式」においては「0.5%」とのこと。

ウェディングプランナー井出さんも10年勤務されて仏前式はたった一度だけ。
しかも新郎さんの実家が「お寺」だったとのことで、いわゆる「特殊ケース」。

それ以外においてはほとんど経験されたことがないそうです。

つまり、結婚式を挙げようという方においては、
そもそも「仏前式」という選択肢そのものがないし、知られていないということです。

ちなみに、挙式形式の選択理由を尋ねたところ、

①「その形式に憧れていたので」43%
②「結婚式場の中に施設があったので」38%
②「施設全体の雰囲気が良かったので」38%

「宗教上の関係で」はわずか3.8%。
つまり宗教上の理由での式というのは非情に少ないようです。

『仏前結婚式』とはー

…そんな現状の中で、西林寺では有難いことに
年に1度、多くて2度、仏前結婚式を行うご縁があります。

これまで仏前式を行って来られた方の理由は様々です、
寺族関係、あるいは友人、西林寺のご門徒でおばあちゃんが眠るこの西林寺で結婚の報告を行いたい、また、挙式を福岡市内で行いたいので仏前式をさせて欲しいという県外からのお寺様。

どのご縁もありがたく、歓んでつとめさせていただきました。

では、お寺で行う『仏前結婚式』とはどんな式なのでしょう ー

『仏前結婚式』は、単に形式だけの儀式ではありません 。

世界中の数多くあるご縁の中から結ばれたおふたりー

ご両親をはじめ、これまで多くの方々のお育てによって、
この日を迎えることができたという感謝の気持ちを忘れずに、

悲しい時も、うれしい時も、お互い尊重し合い敬い合う、
「敬愛」の心に満ちたおふたりの門出を、阿弥陀如来さまの前で誓う式ですー

浄土真宗の宗祖 親鸞聖人は、恵信尼さまとご結婚された時、
お互いのことを大変尊敬の念をもって、敬いあわれたといいます。

それは、恵信尼さまのお手紙の中で夫である親鸞聖人のことを
『観音菩薩の化身』(聖人を観音さまの化身と思ってお仕えした)とまで言われています。

それは一言で言えば、『敬愛』という言葉で表されます。
『敬愛』とは、ただ「愛す」のではなく、お互いを「”敬い合って”愛す」ということー

我々浄土真宗に生きる者としては、この『敬愛』ということを、
ひとつのキーワードとして、とても大事にいたします。

悲しい時もうれしい時も、「敬愛」の心に満ちた夫婦生活・人生を、
阿弥陀如来さまの前で誓う式、それが『仏前結婚式』なのですー

…そんな仏前結婚式ですが、
実際には一般的に認知されているとはいえず、
今後どのように推奨していくべきか、また、様々な挙式の選択肢のあるで、
「仏前式」の現在の立ち位置や現状を知る、という研修会でした。

ホテルや式場へ出向いて『仏前式』を行うカタチ

ウェディングプランなー井出さんから今の仏前式の立ち位置を伺ったあと。
海徳寺の前ご住職 松月 博宣先生より、お話をいただきました。

先生はご自身の経験を元に、我がお寺での仏前式に固執せずとも、
我々がホテルへ出向いて『仏前式』を行うカタチもあると、お話しいただきました。

挙式を行わない「ナシ婚」の理由の一つである「授かり婚」だからこそ、
阿弥陀さまの前でお二人が出遇えたこと、新しいいのちを授かったことをご報告しましょう、と。

先生は、これまでお寺の日曜学校へ来られていた子ども達には常々、
『アナタが大きくなったら、オジちゃんが結婚式をつとめてあげるからね』と、
常々吹き込んでおられたそうです。

ですので、先生が関わってこられた仏前結婚式の大半は、
日曜学校で小さい頃からお寺にご縁のあった子ども達。
しかも一般のホテルや式場においての「仏前式」なんですー

今後『仏前結婚式』を推進させていくにあたって、
基本的にはこれまでお寺に全くご縁のない方へというよりは、
子ども会や、ずっとお寺通いをしていた子ども達への、
その後のアプローチが大事なのではないかと。

日頃の寺院活動の延長線上に仏前結婚式がある。

日頃から子ども・若者へどれだけ繋がりがあるか、
それが仏前式を行う鍵となるのではないか、とお話しいただきました。

後半にはお二人のトークセッション。
終始和やかに、また活発な質疑応答もあり、会場が一体となった非常に実りある研修会となりました。

お寺で行う結婚式、厳かでとっても良いものですよ。

西林寺においても、『仏前結婚式』をはじめ『初参式』、『七五三』など受け付けております。

詳しくはお寺までお尋ねください。

モバイルバージョンを終了