浄土真宗本願寺派 松光山 西林寺

お盆。

コロナ第二波がとても心配な中、いよいよお盆がやってきました。

本堂のお内陣には浄土真宗本願寺派のお盆のお飾り、切子灯籠ー

お盆とは ー

お盆の正式な名は『盂蘭盆会』(うらぼんえ)、
浄土真宗では『歓喜会』(かんぎえ)ともいいます。

「お盆」という言葉の本来は、
インドのサンスクリット語「ullambana/ウランバーナ」という言葉が
中国で音訳され、そこに漢字を当てて「盂蘭盆(うらぼん)」となりました。

それを簡略し、「お盆」というようになりました。

では、「ウランバーナ」とは一体どういう意味なのでしょう?

実は、直訳すると私たちが思う『お盆』とはかけ離れた意味になります。

「ウランバーナ」、直訳すると倒懸(とうけん)=『 逆さ吊りの苦しみ 』といいます(汗)

…なんとも意外で恐ろしい意味。。。

つまり、元々「お盆」は、
倒懸(逆さ吊りの苦しみ)から救われることを説いた仏教の教え』、
ということになります。

ですが、そもそも「お盆」はどういう意味なのか?
それは『盂蘭盆経(うらぼんきょう)』という
お経典に出てくる仏弟子 目連尊者の故事に由来しますー

『盂蘭盆経』:目連尊者の故事とはー

『盂蘭盆経』には、お釈迦さまのお弟子のひとり目連尊者が、
母を餓鬼道の苦しみから救い出すという話が説かれています。

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お釈迦さまがいらっしゃった頃のお話。
お釈迦さまのお弟子のひとりに目連尊者(もくれんそんじゃ)という方がおられました。
神通力第一といわれた目連尊者は、亡き母親の事が心配になり、神通力で確認したところ、
お浄土へ還っておられると思っていた母親は、あろうことか、餓鬼道に落ちていたことを知りますー

母親は飲食することができず、身体は骨と皮ばかりになっています。
これを悲しんだ目連尊者は、得意の神通力で
餓鬼道に落ちた母親にご馳走を差し出すのですが、
母親が口にした瞬間、ご馳走はたちまち炭となり、ますます母親を苦しめてしまいます、、。

嘆き悲しんだ目連尊者は、お釈迦さまのもとへ行き、一部始終を話して救いを求めました。

すると、「安居(あんご・僧侶の勉強期間)が終わり、
僧侶が僧院から出てこられる7月15日(旧暦)、お荘厳を整えて、
全ての僧にご馳走を振る舞い、共々にお参りしなさい」と、
お釈迦さまの教示に従って行ったところ、

母親は救われた、というお話しですー

このような故事を由来として、
親や先祖を思う気持ち」と「仏法を敬う心の大切さ」が、
お盆の行事を通して伝えられるようになりました。

我々真宗門徒は、先だって逝かれた方を偲びながら、
この「私自身」が、仏法に耳を傾けていく、出遭っていくことが大切です。

私たちが手を合わせる「阿弥陀如来」という仏様は、
お盆の3日間しか帰ってこない仏様ではありません

何時でもどこでも、どんな時でも、私たちを照らし、導き、育てて下さる、そんな仏様です


浄土真宗における盆会は、
亡き人を偲びつつ、お法り(おみのり)を聞くご縁としましょう。
また、お盆にはお墓やご家庭の仏壇だけでなく、
お寺の本堂にもお上りいただき、阿弥陀さまにご挨拶しましょう

ご家族で仏縁に触れる、大事なご縁にしたいですね。

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