日記帳

日記帳

お盆。

コロナ第二波がとても心配な中、いよいよお盆がやってきました。

8K6A2369

本堂のお内陣には浄土真宗本願寺派のお盆のお飾り、切子灯籠ー

お盆とは ー

お盆の正式な名は『盂蘭盆会』(うらぼんえ)、
浄土真宗では『歓喜会』(かんぎえ)ともいいます。

8K6A2382

「お盆」という言葉の本来は、
インドのサンスクリット語「ullambana/ウランバーナ」という言葉が
中国で音訳され、そこに漢字を当てて「盂蘭盆(うらぼん)」となりました。

それを簡略し、「お盆」というようになりました。

では、「ウランバーナ」とは一体どういう意味なのでしょう?

実は、直訳すると私たちが思う『お盆』とはかけ離れた意味になります。

「ウランバーナ」、直訳すると倒懸(とうけん)=『 逆さ吊りの苦しみ 』といいます(汗)

…なんとも意外で恐ろしい意味。。。

つまり、元々「お盆」は、
倒懸(逆さ吊りの苦しみ)から救われることを説いた仏教の教え』、
ということになります。

8K6A2374

ですが、そもそも「お盆」はどういう意味なのか?
それは『盂蘭盆経(うらぼんきょう)』という
お経典に出てくる仏弟子 目連尊者の故事に由来しますー

『盂蘭盆経』:目連尊者の故事とはー

『盂蘭盆経』には、お釈迦さまのお弟子のひとり目連尊者が、
母を餓鬼道の苦しみから救い出すという話が説かれています。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

お釈迦さまがいらっしゃった頃のお話。
お釈迦さまのお弟子のひとりに目連尊者(もくれんそんじゃ)という方がおられました。
神通力第一といわれた目連尊者は、亡き母親の事が心配になり、神通力で確認したところ、
お浄土へ還っておられると思っていた母親は、あろうことか、餓鬼道に落ちていたことを知りますー

母親は飲食することができず、身体は骨と皮ばかりになっています。
これを悲しんだ目連尊者は、得意の神通力で
餓鬼道に落ちた母親にご馳走を差し出すのですが、
母親が口にした瞬間、ご馳走はたちまち炭となり、ますます母親を苦しめてしまいます、、。

嘆き悲しんだ目連尊者は、お釈迦さまのもとへ行き、一部始終を話して救いを求めました。

すると、「安居(あんご・僧侶の勉強期間)が終わり、
僧侶が僧院から出てこられる7月15日(旧暦)、お荘厳を整えて、
全ての僧にご馳走を振る舞い、共々にお参りしなさい」と、
お釈迦さまの教示に従って行ったところ、

母親は救われた、というお話しですー

8K6A2371

このような故事を由来として、
親や先祖を思う気持ち」と「仏法を敬う心の大切さ」が、
お盆の行事を通して伝えられるようになりました。

8K6A2384

我々真宗門徒は、先だって逝かれた方を偲びながら、
この「私自身」が、仏法に耳を傾けていく、出遭っていくことが大切です。

私たちが手を合わせる「阿弥陀如来」という仏様は、
お盆の3日間しか帰ってこない仏様ではありません

何時でもどこでも、どんな時でも、私たちを照らし、導き、育てて下さる、そんな仏様です

8K6A2377

浄土真宗における盆会は、
亡き人を偲びつつ、お法り(おみのり)を聞くご縁としましょう。
また、お盆にはお墓やご家庭の仏壇だけでなく、
お寺の本堂にもお上りいただき、阿弥陀さまにご挨拶しましょう

ご家族で仏縁に触れる、大事なご縁にしたいですね。