2021年5月10〜12日、本来であれば【 西林寺 永代経法要 】でしたが、今年も残念でしたがコロナウィルス感染拡大防止のため、中止と致しました。
今年も寺族のみで『無参詣法要』という形で三日間、午後1時半からおつとめ致しました。
誰もいない中でも法要は本当に寂しいものです、、。
『 永代経 』とはー
今回のおつとめした『永代経』とは、詳しくは「永代読経」といい、
故人を偲び、み教えが永代に伝わるようにという願いを持ってお勤めする法要です。
またそれと同時に、子や孫へ、次の世代へ仏法のみ教えをつないでいく法要でもあります。
浄土真宗では、故人への追善供養としてではなく、亡き方から受けた大いなるご恩に感謝し、仏さまのお話を聴く機会といただきます。
これまで仏教にご縁の無かった方も、故人を縁として、仏法に触れる機会でもありました。
真宗門徒は、この法要を通して、故人に対する報恩感謝の気持ちを表す機会であり、そのような思いで、大切に永代経をお勤めして、この私自身が仏さまのお話しを聴いていくー
今回皆さんと一緒に仏法をお聴聞することはできませんでしたが、本来『永代経法要』は、そのような意味でおつとめします。
訪ね導くいのち〜
中国唐時代初期の僧侶 道綽禅師は、ご自身の著『安楽集』の中で、
『 前に生まれんものは後を導き、後に生まれん人は前を訪(とぶら)へ 』と言われました。
親鸞聖人は『教行信証』という書物の最後、全体を結ぶところで上記の道綽禅師の言葉を引用されています。
前に生まれるものは後のものを導き、
後に生まれるものは前のもののあとを訪ね、
果てしなく連なって途切れることのないようにー と、
後の世を生きる私たちに対して、親鸞聖人ご自身の呼びかけでもあります。
今回のコロナウィルス感染症によって、目に見えない恐怖から起こる疑心暗鬼、自己中心的な考え方や他者への思いやりが欠けつつある今だからこそ、、
改めて、仏法を拠り所として心豊かに生きた先人たちに問いたずね、仏さまのお話を通して、掌をあわせ、心を洗いたいものです。