浄土真宗本願寺派 松光山 西林寺

ベトナム盆法要『ヴーラン』

2025年9月14日(日)、今日はお寺で午後からベトナム盆法要『ヴーラン』。

ベトナムの皆さんの思いがたくさん詰まった盆法要を、一緒にお参りさせてもらいました。

九州各地からおよそ100名のベトナム人仏教徒が集まり、賑々しく法要がつとまりました。

ベトナム人にとって1年間の行事の中で「旧正月」と同じくらい大事にされているベトナムのお盆『Lễ Vu Lan (ブーラン)』。

Lễ Vu Lan (ブーラン)とはー

ベトナムのお盆は日本と同様、仏教経典の『盂蘭盆経(うらぼんきょう)』の中にでてくる故事に由来します。

目連尊者が修行中に神通力で亡き母親を捜したところ、お浄土へ還っておられると思っていた母親は、あろうことか餓鬼道に落ちていたことを知ります。
目連尊者は知恵の眼で母親を餓鬼道から救おうとご馳走を差し出すのですが、それを口につけた瞬間、ご馳走はたちまち炭となり、ますます母親を苦しめてしまいます、、。

そこで目連尊者はお釈迦様に教えを請い、お釈迦さまの仰せのままに、修行をされている僧侶が僧院から出てこられる7月15日(旧暦)、僧侶にご馳走を振る舞い共々にお参りしたところ母親は救われたーという故事です。

私たち浄土真宗でも『お盆』は、亡き方やご先祖へ想いを馳せながら、この私自身が仏縁に出遭っていく大切なご縁です。

ベトナムのブーランでは旧暦7月15日の満月の日、主に2つのことを行うそうです。
① 亡き方を偲ぶ
②「親孝行の日」とも言われ、両親や家族に感謝の気持ちを伝えると同時に4つの感謝で勤めるとのこと。

『4つの感謝』とはー
1、仏・法(仏さまの教え)・僧に感謝
2、国家に感謝
3、親に感謝
4、私を取り巻く全ての人に感謝。

このお話を彼ら、彼女達から聞いた時、心から敬服しましたー
自分一人で生きているのではなく、様々な方の縁で ” 生かされていること ”への感謝 で勤めていることがよくわかりました。

当日は私も一緒に三帰依からの讃仏偈をお参りさせてもらい、ご法話をさせていただきました。

ここに来ている人の大半が20代前半。。。ただただ感服するばかりです。

ミャンマーで支援活動を続ける瀧野隆先生のお話。
ベトナム戦争の時代からずっとベトナムの行く末を見守ってきた瀧野さん、

今の皆さんがあるのは、ご先祖方が大変な思いをしながらいのちを繋いでこられた証。こうして生かされていることに感謝しましょうと。

涙を流しながら聞いている若者に胸を打たれました。

献 華。

お参りのあと、喧嘩台に花を挿していきますー

今年は吉塚市場が開催されている外国人ルーツの子ども達への教育支援団体【FIRA】で学ぶ子ども達も参加しました。

色とりどりの明るいガーベラで、お内陣がまるでお花ばたけのように。

みんなが笑顔のベトナム盆法要でした。

私自身が初心にかえらせていただいた大切な法縁でした。

モバイルバージョンを終了