日記帳

日記帳

お釈迦さまのお誕生日。

2020年4月8日(水)、今日はお釈迦さまのお誕生の日です。

仏教ではお釈迦さまのお誕生の日を『 灌仏会(かんぶつえ)』や『 はなまつり 』といい、
4月8日の前後には各地のお寺で、大なり小なり、お釈迦さまの誕生のお祝いをしますー

今年は新型コロナウィルスの影響で、
今週末開催予定だった【西林寺はなまつり- お寺マルシェ】はもとより、
全国のお寺さんでの大きな花まつり行事は「自粛」や「中止」となっていますが、
今年もいつものように「花御堂」をつくって、お釈迦樣のお誕生をお祝いさせてもらいました。

朝9時から法務員の大島と共にお参りしました。

昔は『休日』だった花まつり

意外かもしれませんが、日本では江戸時代、
4月8日のお釈迦さまのお誕生日の日は、役所は全て休日だったようです。

寺子屋も休校。
国民の祝日的な日であったとの記録があります。

現在では、国民の7割が『花まつり』を知らないそうですが(苦笑)、
今年開催できなかった「花まつり – おてらマルシェ- 」のイベントや、Webサイトを通じて、
沢山の方に『4月8日はお釈迦さまのお誕生日=花まつり』を知ってもらえたらと思っています。

今に伝えられるお釈迦さまのお誕生

今から2600年前、お釈迦さまはインド北部、
現ネパール・ルンビニーという地、カピラヴァストゥ(カピラ城)の
釈迦族の王子としてお生まれになりました。

お釈迦さまの母親であるマーヤ夫人は、出産のため里帰りの途中、
立ち寄られたルンビニ園の庭で無憂樹の花を手で折ろうとしたところ、
右脇の下からお釈迦さまがお生まれになったと伝えられていますー

右脇」は、武力の象徴であり、「大切なものを抱える」ところ。

インドでは昔から王族などの高貴な方々は、
右腕や右脇から生まれた」と表現されることが多かったようです。

お釈迦さまがお生まれになられた時の事を、
現在でも様々な歓びと伝説でもって今に伝えられていますー

お釈迦さまは生まれてすぐに東西南北の四方に七歩ずつ歩まれて、
右手を天に、左手は地を指し、

天上天下唯我独尊(てんじょうてんげ ゆいがどくそん)』

これは、
天上天下広しといえども、どれ一つとして無駄ないのちなどない、
いのちは皆それぞれに、等しく尊いものであるー

と仰られたのです。

・・・その時、九匹の龍が現れ、甘い香りの雨が降り注ぎ、お釈迦さまの体を洗ったー

そんな伝承に由来して、現在でも『はなまつり』に、
甘茶をかける』、『甘茶をいただく』という習慣が生まれましたー

緊急事態宣言から一夜明け、、

緊急事態宣言から一夜明けたお釈迦さまの誕生日の日。
一日を通して、様々な方がお参りに来られていました。

出勤前のOLさんや、ご門徒の方、お墓参りに来られた方、地域の方、
ネットで「花まつり」を検索して来られた方、
中には、六本松からわざわざ自転車にのって来られたイタリア人の学生さんも。

甘茶をかける前にコチラもしっかりと。

お参りに来られた方は、
『自粛ムードの中、毎年と変わらず今年もお参りできてよかった』と、
そんな声を沢山いただきました。

昔あった「スペイン風邪」以来の、およそ人類が始めて体験する世界的感染症の異常事態。

…先行きの見えない不安と恐怖。
このようなときだからこそ、仏さまに手をあわせるご縁を通して、
忘れがちな他者への思いやり、
自己中心的な生き方になっていないか?

…そんな自分をを見つめる機会を持ちたいですね。

来月の『西林寺 永代経法要』やお寺の行事はすべて中止となってしまいましたが、
本堂はいつも開けて皆さんをお待ちしています。

当分の間、お釈迦さまの花御堂も本堂に設けています。

どうぞ、どうぞ、いつでもお参り下さい。