日記帳

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お盆を振り返ってー

今年もあっという間にお盆が過ぎ、ようやくひと息ついたところに再び緊急事態宣言。
終わりが全く見えませんね、、。

今年のお盆参りの件数もコロナ前と比べ、昨年同様2分の1と減少しましたが、行うことはこれまでと変わらず、今年は土砂降りの中、全力で駆け抜けた五日間でした。

各地で避難警報が発令する中、あるお宅では『自宅の裏山が滑るかもしれない』と、町内の皆さんが避難される中での初盆参り。
…迎える側も、お経を読む側も、まさに命懸けのご縁でした。

…しかしながら、阿弥陀様の前で一緒にお参りさせていただき、「父の初盆をつとめられて本当によかった」と仰ってくださった奥様の笑顔にこれまでの緊張が一気に緩んだ瞬間でした。

これまでの、お宅での記憶が蘇ってくるー

お盆参りのお宅によってはかれこれ二十数年、毎年お参りをさせてもらっているお宅もあります。

当時20代前半ー
まだ右も左もわからないような私を温かく迎えてくださり、お育てをいただいたおじいちゃんやおばあちゃん。…そんな方々がひとり、またひとりとお浄土へ還っていかれ、今度は次の世代の方々と共にまたお盆参りをつとめさせていただいてます。

お仏壇の前でお参りをしていると、それぞれのお宅で、今は亡き方々のお顔や思い出がたくさん蘇ってきます。読経後、お茶をいただきながら、おじいちゃんやおばあちゃんの当時の思い出話をしては、ご家族と一緒に笑みが溢れていくー

…そんな瞬間を共有させていただいた時、『あぁ、、やっぱりお盆っていいな、、』と。心があたたかくなります。

僧籍をいただいてから二十数年が経過しました。
この歳になってようやく『亡き方を語れるようになってきた事』、そしてご門徒の皆さんとの距離、ご縁が深まってきたことに嬉しさと有り難さを感じます。

『お盆』とは、亡き方やご先祖へ想いを馳せながら、この私自身が仏縁に出遭っていく大切なご縁です。
浄土真宗におけるお盆のつとめとは、先に仏様となられたご先祖さまを通して、今まさに私たちが「仏法と出遇わせていただいている」ということに感謝する仏事です。

今年もたくさんのご門徒様のお宅でお参りさせていただきました。

私自身も毎年初心にかえらせていただく大切な法縁ですー