2024年8月28日(火)、今日は『 西林寺 永代供養堂 落成式 』。
構想から7年。実際に計画が動き出してから1年半が経過。ここまで紆余曲折ありながら、前住職の悲願でもあった永代供養堂が遂に完成。
台風が迫る不安な状況ではありましたが、8月28日、落成式の日を迎えました。
設計していただいたキトレペ建築設計事務所の松田和也さん、施工業者の末永工務店 谷口さん、そして西林寺門徒総代、世話人、婦人会役員の皆さんと共に、今回は関係者のみで落成式をお参りをさせてもらいました。
長い道のり
永代供養堂リノベーション計画は構想から7年。実際に動き出してから1年半の歳月がかかりました。
2017年頃、前住職の発案から生まれた計画でした。
元々旧納骨堂のエントランスだった場所は10年前、新納骨堂が完成したことにより出入り口が一本化。
これにより入り口だった場所は封鎖し、長年「物置」となっていました。
『 西林寺にとって境内の一番良い場所が「物置」となっていることが勿体無い。』
そんな中で、近年「墓じまい後、お骨をどうしたらよいのか?」とご相談されるご門徒さんが増えてきた事もあり、この場所に永代供養堂を設置してはどうか?という話が生まれました。
しかし、当時の私は「住職継職法要」を翌々年に控えた状態。
法要のことで頭がいっぱいだった私は、『今急いで永代供養堂を設置するよりも、継職法要後にじっくり腰を据えて、お寺全体の景観やバランス、時代の流れも見極めながらじっくりこの計画を進めていきたい』と、敢えて計画を先延ばしにしていました。
そこから5年間、さまざま方向性を考えながら構想を練ってきたのでしたー
時代に即応したカタチ
そこで、友人を介し、以前から気になっていた【キトレペ建築設計事務所】の松田和也さんにご相談しました。
西林寺で一番目立つ場所を改築するのなら、お寺の景観を損なわず、むしろお寺全体に統一感が生まれるような“ 境内整備 ”を含んだリノベーション。
永代供養堂に直接関係のないご門徒さんやお墓参りの方も、皆さんが喜んでいただけるような施設にしたい。
・・・そんな思いや願いをお伝えしたところ、こちらの想像をはるかに超えてくるようなご提案をいただきました。
既存の正方形の空間を斜め45度に屋内・屋外に分け、敢えて「余白」を多くつくることで、永代供養堂に直接関係のない方も利用できる“ 東屋 ”(休憩所)の機能を併せ持つ永代供養堂にしてはどうか?とご提案していただいたのです。
非常に面白いコンセプト。思い切った形ではありますが、これまでの固定観念にとらわれず、せっかくならご門徒の皆さんに喜んでいただけるような、お寺の可能性が広がるクリエイティブなものをつくりたい。
…この方向性で話はまとまり、そこから建築許可を得るため、行政への提出資料集めが始まりました。
しかし、これが想定以上に難航。7ヶ月を費やし、提出書類の厚みたるや、、まるで昭和の電話帳。。。
しかもなかなか厳しくて許可が下りない。多くの皆さまにもご協力をいただいて、ようやく受理されたのが今年の2月でした。
着工開始
2024年4月、着工開始。
ここから4ヶ月かけて、永代供養堂工事を行なってきたのでした。
工事は職人さん方の丁寧なお仕事によって、順調に進んでいきました。
タイルも職人さんの手作業によって一枚一枚丁寧に。本当に有り難かったです。
7月末、完成引き渡し
7月末、旧納骨堂だったエントランス部分は大胆に様変わりし、無事に引き渡しを迎えました。
「東屋」の機能を合わせ持つ永代供養堂。入口部分の斜め45度の角度は、西林寺本堂の阿弥陀様と向かい合う角度。
これにより中の休憩スペースは、お参りにこられた方々が阿弥陀さまと向かい合う、あるいはお寺へお参りに来たことを腑に落とす、自分自身と向きあえる空間が生まれました。
休憩所でもある室内は、友人でプロダクトデザイナーのサカシタカズナガ氏がデザインしたベンチを配置。
モダンで、洗練された印象でありながら、座面は国産畳を使用した、和のあつらえと非常に親和性あるデザイン。
とても過ごしやすい空間になっています。
永代供養堂に直接関係のない方でも休憩された後、手を合わせて帰っていただけたらとっても有り難いです。
お骨を納める合葬墓の正面には、書家だった祖父が書いた『倶会一処』の文字。
今生の縁が尽きて、しばしのお別れをさせていただくかもしれないけども、またいずれ『お浄土で会いましょうね』の意を正面に掲げさせてもらいました。
夜にはライトアップもできるよう、松下照明設計事務所さん監修のもと、松下さんによる新たな「光」が灯されました。
斬新でありながらも、全体的にピッチの違う木の直線が連なることで、お寺全体の雰囲気が「木」で統一されました。
総代・お世話人の皆さんには、台風の不安な最中にお集まりいただき、本当に恐縮でしたが、こうして皆さんと新たな施設「西林寺永代供養堂」落成のご縁でお参りさせていただき、本当に有り難かったです。
西林寺永代供養堂は、西林寺ご門徒の皆様へご案内する施設となります。
永代供養堂への納骨は、一体を二十万円としますが、三体以上のご納骨については上限を五十万円とし、それ以上はいただきません。永代供養堂に関しまして、管理費も発生しません。
また、今回のリノベーション工事に伴い、旧納骨堂二階部分には新たに2〜3体を納めることのできるボックス型納骨檀も新設しました。
一区画30万円(年間:管理費3,000円+門徒会費4,000円)
永代供養堂・ボックス型納骨檀へのご加入・お問い合わせは西林寺までご連絡ください。
お墓参りに来られた皆様も、ぜひ休憩所としてお使い下さい。