雨が降ると、晴れた日とは異なる表情を見せる石畳。
昔は雨は憂鬱で大嫌いだったが、今は雨に濡れた石畳をぼんやり見るのが結構好きだったりもする。
境内から本堂へ続く参道の犬島石。雨に濡れると赤い霜降りのような独特な模様を見せはじめる。
長崎や熊本の路面電車を支えるための舗装材として使われていた軌道用敷石。
様々なご縁で譲っていただいた石は、現在お寺の参道の石畳として再利用しています。
長い年月によって独特な丸を帯びた軌道用敷石。機械仕上げではなく、職人の手作業によって切り出された石はどれも味わい深く、雨に濡れると一層のその表情が豊かになる。
大玄関前の石は、京都の市電の軌道用敷石と京町屋の板石で構成。
メインの「役石」(写真左下)は、かつて西陣織・呉服屋の冠木門の下に敷かれていた石で、よく見るとうっすら手彫りによる二段加工が施されている。
当時、呉服屋に通ったお客の下駄で何万回と踏み込まれた石。
それぞれの石にはそれぞれのストーリーがあり、昔のことを想像するだけでさらに愛着が湧いてきます。
何時間でもボーっと見れる雨の石畳でした。