12月13日(水)、今年最後の婦人会例会でした。
最後は住職による親鸞聖人の御絵伝の解説。
『御絵伝』とは一体何でしょう?
平安末期から鎌倉時代という、激動の時代を生き抜いた親鸞聖人。
その90年にわたるご生涯をどこで、どのように過ごされたのか?
それを知るもとになるのが『親鸞伝絵』という絵巻物です。
『親鸞伝絵』とは、本願寺第三代宗主 覚如上人によって制作された絵と詞書き(説明文)でまとめられた絵巻物。
簡単に言えば、親鸞聖人の伝記です。
その『親鸞伝絵』の中から絵図を抜き出し、掛け軸としたものが上の写真の『御絵伝』。
詞書き(説明文)を抜き出したものが『御伝鈔』↓です。
つまり、『御絵伝』と『御伝鈔』は、昔は『親鸞伝絵』というひとつの絵巻物でしたが、後に「絵」と「書」にわかれました。
浄土真宗の寺院では、報恩講法要(浄土真宗で一番大切な法要)を勤める際、
本堂の余間に『御絵伝』が掛けられ、そしてこの『御伝鈔』を拝読します。
『御伝鈔』とは親鸞聖人のご生涯を紐解いてゆく中に、ご遺徳を偲ばさせていただく読み物。
非常に格調高い文章ですが、その理解を助けてくれるのが、絵によって描かれた『御絵伝』なのです。
聖人のご苦労を偲ぶとともに、ご恩に感謝するというこの伝道方法は、
江戸時代には各寺院に広まり、現在に至るまで各地で続けられています。
このような方法で、人々は親鸞聖人のご生涯を知ることができたのです。
と、そんな御絵伝は、一年に一度の「報恩講法要」でしかお目見えしないため、
今日は、婦人会の皆さんに実際に御絵伝を間近でご覧いただきながら、
親鸞聖人の御一生に触れるご縁でした。
こういうご縁もたまにはいいですね。