日記帳

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西林寺本堂改修工事、いよいよ大詰め。

2019年4月9日から始まった西林寺改修工事もいよいよ最後の大詰めを迎えました。

2005年の福岡・西方沖地震で傾いた本堂の改修および耐震工事、屋根裏の清掃作業、
白蟻に食べられた梁の取り替え作業、内陣の床板の貼り替えと来迎柱の取り替え、
彩色の修復、電気の配線整理に全照明のLED化、音響設計の見直し、
・・・そしてご門徒の皆さん、待望のエアコン設置と、

西林寺門信徒の皆様のおかげにより、表だった外見の変化よりも、
この先を見据えた、目に見えない本堂「内部」の補強工事をさせていただきました。

まずは屋根裏工事と耐震補強

西林寺の本堂は、みたことのない光景の連続でしたー

西林寺本堂の屋根裏。

これまで見ることのなかった天井裏には大きな梁がたくさん、、

天井裏はこんな風になっていたのですね、、。

間近でみることのない彫刻、、。

本堂裏の埃など清掃を行った後、
重要な地梁と妻梁が白蟻被害で危険な状態だったため、梁の交換・補強を行いました。

本堂右壁に1トンもある妻梁が新たに取り付けられ、耐震補強が強固に。

続いて、納骨堂側の壁の耐震性を高めるため補強工事。

以前の壁は、昔ながらの「エツリ壁漆喰仕上げ」という工法で、
地震の影響や老朽化により耐震性が無くなってたとのこと。
今回は一度壁を壊して、筋交いと構造金物により
耐震性補強を行った上で漆喰壁仕上げを行ってます

そして、10年前の西方沖地震による本堂の傾き・桁の歪みを、
油圧ジャッキとワイヤーで引き直し修正。

強力なワイヤーでガッチリと矯正されました。

格天井の組み直し

地震の影響でガタガタに歪んでいた格天井、、

特に両側の天井・格縁材の歪みがひどかった為、新たに格天井の組み直しを敢行。

天井材の洗浄と天井の吊り直しも行いました。

天井板の裏面には、沢山のご門徒さん方のお名前がー

かつて門徒総代長であった木村三朗先生のお名前も。

また、屋根裏にはエアコン設置のため、新たに配管も通りました。

内陣・床板の貼り替えと来迎柱の取り替え工事

当初予定にはありませんでしたが、内陣の床のレベルが水平でないことが判明。
内陣の床には家庭用のフローリング仕上げだったことも有り、この機会なので
お内陣に見合った幅広の檜板を床材として使用。貼り直しを行うことに。

真っ暗な穴のあいた内陣。
お浄土を表す「内陣」の下には漆黒の闇が広がりますー

平安社寺建築さん、最後の追い込み作業では、毎日西林寺に泊まり込んで、
朝早くから夜遅くまで、一生懸命作業に取り組んで下さいました。

床の土台が出来上がったところで新しい来迎柱が運ばれる。

ついに二つの新しい柱が立ちました。

阿弥陀さまの両脇に位置する、以前の「来迎柱(らいごうばしら)」。
西方沖の地震によって大きく傾いていたため、取り替えることになりました。

はせがわさん曰く、西林寺の来迎柱は、『博多彩色(はかたさいしき)』という、
柱に直に彩色を施す手法がとられていたそうです。
しかし今回の新しい来迎柱には、事前に和紙に彩色を施したものを「巻く」という形で行うことに。

そんな来迎柱がついに建ち、上部には新しい彩色も施されました。

以前の彩色。

この度の新しい彩色。

柱に巻き付ける最後の彩色は、私の強い要望で「紫」を基調とした使用に。
こちらは来週取り付け予定とのこと。

冷房、音響、そして畳、、いよいよ大詰め。

工事がはじまって三ヶ月が経過した先日、ついに足場が取り外されました。

綺麗になった格天井。

「洗い」が施され、とてもスッキリした色味になりました。

格天井の格縁材の歪みを直し、新たにビルドインエアコンを4台設置。

これからの時期、本堂で行うご法事は「危険な暑さとの闘い」でもありましたが(苦笑)
これからはより集中して、仏さまのおはなしを聞いていただけそうです。

音響設備も整いました。

そして7月25日、ついに畳が敷き詰められてー

7月26日(金)、いよいよ仏具が運ばれます!